天賦の才能を備えた人間が開花するために必要な環境とは? ・・・ ロリン・マゼールの言葉
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以下文書はダイナースの月刊誌 SIGNATUR 8−9月号 からの記事を抜粋編集させていただきました。
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8歳にして指揮者デビューをはたしたマゼール氏は、10代半ばまでには全米のほとんどのメジャー・オーケストラの指揮台に立つという神童であったのだという。
マゼール氏は当時の様子に関して“天才児"という言葉への警鐘をこめてこう語っています。
「ある分野に秀でた子供が幼い頃から才能を発揮するのは、ごくごくあたりまえのことです。これは音楽の世界に限らず、運動でも、学問でも共通のこと。
私の場合はそれがたまたま譜面を記憶できる能力や楽器を演奏する能力であっただけ。ほかの子供が野球やテニスに興じている時、ヴァイオリンを弾き、指揮棒を振っていたにすぎません。」
しかし、氏の卓越した才能を周囲は放っておくはずもなく、天才児としてもてはやされることも多かったという。
「こうした環境に戸惑いを覚えたことは確かです。自分がどう優れているかなど当時の私にはわからなかったからです。一方、両親はそんな私をあえて特別視することなく、きわめてまっとうに育ててくれました。指揮台に立つのも夏休みの間のせいぜい6〜7回。おかげで普通に学校に通うことができ、周囲の子供たちと親交を深め、人間的にもゆっくりと成長していきました。」
もし、こうした両親の庇護がなければ、自分の才能は周囲の大人たちに過剰に“消費"されていたかもしれないと振り返る。
「なんども言いますが、優れた芸術家が幼い頃からその才能を発揮するのはあたりまえのことなのです。問題はそこには必ず“才能の搾取"がついてまわることです。周囲の人間が商業的な成功を求めるあまりに幼い才能を酷使し、子供たちの人間的な成長が阻害される悲劇を私は何度も見てきました。」
そんな少年時代を送ったマゼール氏は、その後音楽家のみならず一人の人間として鍛錬を重ね、大学時代には哲学の勉強に没頭したとのこと・・・
「私の人生で最も影響を受けた人物をあげるとすれば、それは学生時代の哲学の教授でしょう。」
「それは哲学という人生の指標を私に与えてくれ、知的に精神的に成長することを誰よりも厳しく促した人物でした。」と氏は語っている。
音楽と哲学・・・意外な組み合わせの様に思えるが、哲学はその理論や領域を超え、現在の氏の芸術活動を精神的に支えている。それはあらゆる行動の規範と言って良いかもしれない。
以下略・・・
3才の子供がいる僕たち夫婦は、息子にどの様な才能があるのか気になっています。
彼のちょっとした行動にも「天才かもしれない!」と、かなり親ばか(+)の反応過剰な毎日。
まだ彼にどんな才能があるかはよくわかりませんが、ともかくとても健康で元気でなによりです。