治療例:A・Aさん 高度な骨格性の下顎前突による反対咬合と叢生の治療例
|
【 症状 】 高度な骨格性の下顎前突と反対咬合
高度な叢生(デコボコ) ・高度な過蓋咬合
正中の不一致 ・その他
【治療装置】マルチブラケット装置 ・その他
治療開始前に上顎左右の親知らず抜歯
【治療期間】治療開始:25才5ヵ月 ・治療終了: 27才2ヵ月
治療期間:約1年9ヶ月
【動的治療回数】18 回
矯正治療のリスクと対策について【重要】
矯正治療には、機能的によく咬めるようになる、見た目が良くなる、歯磨きがしやすくなる、歯の健康が維持しやすくなる等の様々なメリットがあります。
この様に、矯正治療には多くのメリットが存在する一方で、デメリットもある医療です。
薬にも副作用としてのデメリットがありますが、ほとんどの医療には副作用などのデメリットが存在し、リスク(損害を受ける可能性)が伴うものです。
矯正治療においても、それは例外ではありません。
当医院では、矯正治療を始める前には、デメリットもよく理解した上で始めることをお勧めしています。
つきましては、以下の内容もよく把握して頂いた上で、矯正治療を行うかに関してもご検討を頂きたいと存じます。
矯正治療のリスクとしては以下の項目があります。
ガミースマイルが思ったように治らない事もあります
ガミースマイルも原因は様々で、矯正治療ではあまり改善できない場合もあります。また、矯正治療による変化も患者さんそれぞれで個人差もあるため、望んだような結果が出ない場合も御座います。
また、その他の症状に関しても、思ったような改善が行われない可能性も御座いますので、ご了承ください。
むし歯
矯正治療中、歯ブラシが行き届かないと矯正器具の周囲にむし歯ができることがあります。
対策としては、歯科衛生士による矯正治療前の歯ブラシの指導やクリーニング、そして治療開始後も、むし歯の予防管理を毎回の調整時に行っていく管理体制をとっています。
歯周病
歯周病の要素をお持ちの場合、歯ブラシが悪いと歯周病が進行することがあります。
対策は、矯正治療中の歯周病の予防策として、矯正治療の開始前に、成人の患者さんは歯周病の検査を行います。歯周病の治療が必要な場合は、かかりつけの医院で歯周病の治療をして頂いた後に矯正治療を開始させて頂きます。
また矯正治療開始後は、徹底して歯のクリーニングやホームケアとしての歯みがき指導などを行う事で、歯周病の予防していきます。
当院では、歯科衛生士によるプロフェッショナルな予防管理を毎回の調整時に行い、患者さんご自身のケアをサポートする体制をとっています。
歯の間にできる三角形の隙間(ブラック・トライアングル)
矯正歯科の治療後に、歯と歯の間の歯肉がさがり、三角形の隙間ができる場合があります。
原因として、歯肉の腫れがなくなり引き締まってできる場合と、がたつきのある歯をきれいに並べ変えることにより、歯と歯のあいだの歯肉が横に引き延ばされ歯肉の高さが減る場合があります。歯周病によって起こされる歯肉退縮では無い場合は、歯の健康上の問題はありません。
対策として、見た目の隙間がどうしても気になる場合には、歯の横の部分をすこし削って歯の形を変え隙間を小さくする方法で対処できます。
歯根吸収
矯正歯科の治療後に、歯の根の先が丸くなる患者さんがいらっしゃいます。
ほとんどのケースでは問題になりませんが、根の長さが3割から4割ほど短くなってしまう患者さんもまれにいらっしゃいます。
対策は、矯正歯科の治療前、中、後に歯の根の状態をレントゲン写真を撮影して根の状態をチェックしていくことである程度は回避できます。
歯根の吸収が起こる患者さんは、治療前から歯根の長さが短い、細い、すでに歯根吸収がみられる等の特徴があります。
患者さんの歯根の状況を見極めて、矯正歯科の治療をどこまで施せるかを判断していくことが大切と考えています。
しかしながら、原因が事前にわからないこともあります。
顎関節症
アメリカ矯正学会の最近の結論では、矯正治療と、顎関節の痛み、顎関節におきる音、顎が開きづらい等の症状とは、因果関係はないとのことです。
しかし現実問題として、矯正治療中にいろんな原因で、顎の痛み等を訴える患者さんもいらっしゃいます。
対策は、顎に負担をかけないようにする事や、顎を休めるマウスピースを着けたり、痛み止めのお薬を服用する等の対応をおこないます。
さらに、詳細なリスクと副作用に関しては、こちらをご覧下さい。
ご協力頂いた患者様へ
公開の承諾と治療へのご協力頂き感謝しております。
ありがとう御座いました。
ありしま矯正歯科 有島常雄